謹んで新年のお慶びを申し上げます
旧年中は妙法寺の寺門護持に多大なるご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
本年も変わらぬご厚情を何卒よろしくお願い申し上げます。
今年も一般の参加者の方々と一緒に水行をさせていただき、妙法寺の一年がスタート致しました。水行ではそれぞれの抱負や願いを心にして水行を行っていただいております。その中で「世界平和」を願い水行をされた方もいらっしゃいました。
令和六年の日本では首相も変わり、世界ではアメリカ次期大統領選にてトランプ氏が再選したり、各国で戦争が続いていたりと、世界が目まぐるしく動いた一年でした。さて、令和七年はどのような年となるのでしょうか。
『それでも夜は明ける』という映画があります。これは、黒人奴隷制度時代に、騙されて奴隷になってしまった主人公が家族との再会を夢見て、その苦しい日々を描いた実話を基にした作品です。この映画の中で、過酷な労働環境で働いている姿を見た旅人が、奴隷を所有物として扱う家主に次のように言いました。
「法律は変わるが普遍の真理は変わらない。」
この時代では黒人を奴隷にすることが法律で認められており、それが「常識」とされておりました。しかし、その「常識」は奴隷解放宣言と共に消えることとなりました。
現在の当たり前の「常識」もいつかはそんな時代もあったと言われる日が来るのかもしれません。
釈尊が法華経を説かれたのも、「普遍の真理」を伝える為でありました。
生きとし生けるものはみな平等であり、一人一人がいつか仏様となる尊い存在であるという教えです。
その教えの例えとして常不軽菩薩のお話が法華経には出てまいります。常不軽菩薩は、出会うすべての人に対して「あなたはいつか仏に成られる尊い存在です」と手を合わせ敬い続けるという修行を行い、自身も仏となりました。
大切な事は、国も人種も関係なく、生きとし生ける者が皆平等であり、尊い存在だと心から思えるかどうかです。
この心を全ての人が持たなければ「世界平和」が実現することは無いでしょう。
法華経・お題目を世界に広げたいのではありません。法華経・お題目によって「この心」を持てる人を世界に広げていきたいのです。 「この心」を養えるのであれば、宗教に優劣などありません。
この同じ地球で同じ時代に生まれた世界中の人々が、現在の「国」という「常識」を超え、「慈しみの心・愛の心・敬いの心」を持って共に敬い、共に手を取り合い、共に助け合える平和な世界を祈って、妙法寺では令和七年も法華経・お題目の信仰を皆様と続けて参ります。
合掌